口の奥の本棚

古に絵本の紹介をしていたブログ。今はたまーにてきとーに思ったこと書いてます。

卒業式

明日は1ヶ月健診。これで私の出産にまつわるイベントは全て終わる。もらった病院の冊子も、最初はわからないことだらけだったのに、もう全て経験済みになって、開くこともなくなる。寂しいような、不安なような。明日は私にとっての卒業式。

妊娠してからの気持ちをぽつぽつ書き留めていたけれど、あれからいろいろあって、産休に入ったあたりから全く書けなくなっていた。出産自体はとても安産で、育児の環境も恵まれていて、有難いことばかりだったのだけど。気持ちがついていかなくなってしまって、恵まれた環境にいるのに出産にまつわる一連の出来事がトラウマ化して、そんな自分が情けなくて、こんなに幸せで有難い条件下なのにこんなに苦しんでいることが申し訳なかった。しばらくは昨日のことも明日のことも考えるのが怖くて、マタニティブルーというよりは産後うつに近かった。今1ヶ月経って、少し風化した記憶をちょっとずつなぞることができるようになってきたけれど、それはデフォルメされた、本当の形ではない景色なんだろう。そのときのことは書くかもしれないし書かないかもしれない。でもできればあのときのフレッシュな気持ちを書き留めておきたかった。

妊娠中に書いたブログを読み返して、なんと強い母(当時はまだ妊婦だけど)だったんだろうと、うつに片足を突っ込んでいた自分は驚いた。そして息子はおなかにいたときからこんなに愛されていたのだと、自分が書いた文章に自分で励まされた。

とにかく頑張ったのだ。今はそう言える。こんなトラウマ化した体験にもう一度挑戦するかどうかわからないけれど、一生に一度かもしれない経験、できてよかった。これが良かったか悪かったかはわからないけれど、私は望んで引き受けたのだ。不妊治療までして、自分の希望でこの道を選んだ。そう考えると自然妊娠じゃなくてよかったとすら思う。

支えてくれた(たぶん人一倍お世話になった)産院には本当に感謝している。明日は外来だから仲良しの先生や助産師さんには会えないだろうけど、1ヶ月経って成長した息子を見せに行くのが楽しみだ。寂しさと、不安と、感謝と、楽しみな気持ち。卒業式みたいな、こんな懐かしい気持ちを今また思い出しているのも、出産したからこそかもしれない。桜は咲いていないけれど、残暑の強い陽射しを味わいながら、新しい道を進んでいこうと思う。

 

(そんなわけで無事産まれたので今まで下書き保存していた文章を一気に放出しました)