口の奥の本棚

古に絵本の紹介をしていたブログ。今はたまーにてきとーに思ったこと書いてます。

引越しブルー

夫婦二人の生活から家族三人の生活になるにあたって、引越しをすることにした。今住んでいるところはとても便利で、何をするにも徒歩圏内で、とても気に入っていた。部屋の間取りも丁度良く、日当たり良好、上の住民が発狂したり目の前の道路をしょっちゅう救急車が通ることにももう慣れてしまっていて、もし夫婦だけならまだしばらくここに安住したと思う。

だから、急遽決めた引越し先の内見をして、引越しブルーになってしまった。引越し先は「俺の隣の4LDKあいてるよ、おじさんのマンションだから賃料まけてもらいなよ」という弟の鶴の一声で決めたのだけど、行ってみたら思ったより日当たりが悪く、天井も低め、閉所恐怖症の私にはピンとこない部屋だった。それでも部屋数は増え、実家も近くなり、賃料も今と対して変わらず、妊娠7ヶ月の今探し直す時間もない。今住んでいるところは気に入っているけれど、その地域の学校には絶対通わせたくないという意見は夫婦一致していて、職場も遠すぎて保育園に支障が出るし、つまるところどう勘案しても、引越しは既に決まっていた。

今の日当たりのいい部屋でゴロゴロしながら、心はしかし曇りがちである。もっと探せばいい部屋が見つかったんじゃないか…とか、日当たりだけどうにかならないかな…とか。夫も私も変化はあまり好まない性格で、「一緒に内見して同棲して結婚して、初めて生活が楽しいと思えた部屋だった」と夫もセンチメンタル気味。それだけ幸せに暮らしてきた部屋だった。

だけど。引越しブルーに陥りながらも、今の私は昔の私とは違うなと思うことがある。それは不安なときもポジティブな要素を探そうとできるようになったこと。

これは夫婦の歴史だ。2DKで同棲結婚し、4LDKで赤ちゃんを迎える。新しい部屋は夫と息子との思い出ですぐいっぱいになるだろう。どうしても嫌だったらすぐ引っ越せるのが賃貸のいいところだし、産まれたら部屋なんぞにうんうん言ってられるほど余裕のある生活でもない。流れと運に身を任せようじゃないか。

プーさんも言ってた、さよならがこんなにつらい相手がいるなんて、僕はなんて幸せなんだろうって。今は、ただこの部屋で経験した幸せな日々を精一杯噛み締める。夫との生活は優しさと愛に溢れていて、喧嘩なんて数えるくらいしかなくて、とても居心地が良くて、人生で確実に一番幸せだった。その思い出は変わらないし、これからもっともっと増えていくと信じている。

夫と同棲し始める前、自分の努力故ではない希望がこんなに将来に溢れることなんてあるんだ、と驚いた。今度は夫と一緒に、それを経験しよう。息子に会いに行こう。

 

……そういってるそばから日当たりの改善方法、検索してるんですけどね。