口の奥の本棚

古に絵本の紹介をしていたブログ。今はたまーにてきとーに思ったこと書いてます。

なんでも忘れてしまう

ぼけちゃんはなんでもわすれてしまう

どのみちあるいてここに来たっけ?

あつめたシールどこにしまったっけ?

このあいだなに食べたっけ?

 


むかしからこんな感じ

どうしてこんなにわすれてしまうのか とてもふふくだった

だってうれしかったこと たのしかったこと わすれたくないことまで、だいたいみんなわすれてしまう

きっと頭の中にどろぼうがいるにちがいない

じいちゃんに頭の中への行き方を聞いたら、夢の中で100ぺんでんぐり返しすればいいと言われたので、その夜ぼけちゃんは夢の中でぐるんぐるん100ぺんでんぐり返しした

頭の中には神さまがいた

「どうしてわたしの頭の中をどろぼうするの!」

「いやいやごめんよ、でも神さまもたいくつなんだ。ひとりでずっとすることもなくって、だからぼけちゃん、たのしいことたくさんして神さまにもわけてくれないかい」

神さまのもうしわけなさそうな顔をみてちょっとかわいそうになったぼけちゃんは、それからたくさんたのしいことをした

たくさんたのしいことをして、たくさんうれしくなって、たくさんわすれた

そしてぼけちゃんはそのうちおとなになり、もっとぼけたばあちゃんになって、あったかいふとんの中で死んだ。

ふーっと魂がぬけたとき、白い雲の中で神さまが待っていた。

「やあやあぼけちゃん、たのしい気持ちをたくさんありがとう。とてもたのしくてうれしくていい気分だったよ。お礼にこれから天国のステキなところに連れてってあげよう」

ぼけちゃんと神さまは手をつないでスキップしながら天国にむかった。それからぼけちゃんは空の上でしたたのしいこと、もう2度とわすれなかった